地価が値下がりした要因
平成三年から地価が値下がりした要因としては、次の点をあげることができます。第一に、平成二年四月から大蔵省・日銀によって不動産業に対する金融機関の融資規制が行なわれた(総量規制の開始)ことがあります。融資規制によって、不動産業者などの土地に対する新規需要が一挙に冷却化したほか、資金繰り資金の融資も規制され、不動産在庫を抱え込んだ業者は、金利負担など金繰りに苦しんで、倒産も増加したことはご存じの方も多いと思います。これによって、地価は値下がりに転じ始めました。第二に、平成二年下半期から、首都圏ではマンションや建て売り住宅の売れ行きも急速に悪化してきました。マンションを例にとると、売れ残り在庫が急増してダンピングも発生しており、住宅.不動産不況が深刻化してきました。これも地価値下がりに拍車をかけることになったのです。ただし、総量規制は平成四年一月からは解除されています。これが、今後の地価動向にどんな影響を与えるかが注目されるのですが、次のような見解が多勢を占めています。まず、総量規制の解除を受けて、地価の値下がりは平成五年中には一応の底打ちはするでしょう。ただ、必要以上に高値を付けた土地や、利用効率が著しく悪い都心部の狭小ビル用地などは、値下がりの底打ちが遅れる可能性も考えられます。次に、底打ちした地価は、一年ぐらいは横這いを続けることになり、再上昇は当面考えにくいとみて間違いないでしょう。その理由としては、総量規制が無条件解除ではなく、選別緩和になっていること、すなわち投機的な不動産取得に対しては融資を締めて、開発計画の裏付けのあるものには融資することになっているからです。また、開発計画のある土地取得に対しては融資するといっても、総量規制の解除を受けて即、土地取得に乗り出せる企業は意外と少ないと考えられます。